京都大学の理系数学に最近登場した定積分計算問題〜次の定積分を計算せよ〜

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理系数学の世界

ようこちゃん、今日のテーマは積分だよ。

積分って、いろんなタイプがあるけど、全部やる気?

いやいや。今日は、定積分の計算に特化するよ。京大の入試に「次の定積分を求めよ」っていう問題が出題され始めたのは有名じゃん? 今日は、京大で出題された全ての定積分問題をまとめて解いてみようと思うんだ。

なんでまた、そんなこと。まぁ、でもいいよ。定積分なら、考える必要、あんまないしさ。

あ、油断してるな、ようこちゃん。最後にとっておきの問題も用意してるから、覚悟してね。

とっておき? だってただの定積分でしょ?
ちなみに、最初に定積分の問題が出たのはいつなの?

2007年、前期入試の乙問題だよ。このあたりは、学部によって理系でも数学が甲と乙の問題に分かれていてね、乙の方だけ出題されたんだ。こんな問題。

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2007年乙 第1問(1) 衝撃を与えた定積分問題

問題
定積分
$$\int_{0}^{2}\frac{2x+1}{\sqrt{x^{2}+4}}dx$$
を求めよ。

受験生は驚いたと思うよ。少なくとも50年近く、ただの定積分問題は出題されていなかったから。

うん、かもね。でも、この積分。ただの定積分と呼ぶには、少し厄介じゃないかな? 

うん、侮れない。ようこちゃん、計算する?

え? 私か。ちょっと面倒くさいかも。
定積分に根号がついていて、かつその中身が”変数の2乗-正の数”だったら、私なら、サインかコサインで置換。”変数の2乗+正の数”ならタンジェント。今回は形からしてタンジェントで置換したいね。でも、このままタンジェントで置換すると、多分ダメ。

うん。実はそのあたりも巧妙な仕掛けなんだよね。

私なら、こうする。
$$\int_{0}^{2}\frac{2x+1}{\sqrt{x^{2}+4}}dx = \int_{0}^{2}\frac{2x}{\sqrt{x^{2}+4}}dx + \int_{0}^{2}\frac{1}{\sqrt{x^{2}+4}}dx$$
これで、第1項目はタダで積分できちゃう。

タダで積分ができるって、どういう意味?

あっ、ごめん。置換も部分積分も使わなくていいってこと、だから
$$\int_{0}^{2}\frac{2x}{\sqrt{x^{2}+4}}dx = \left[ 2\sqrt{x^{2}+4} \right]_{0}^{2} = 4\sqrt{2}-4$$
ということかな。それで、第2項目の方はタンジェントでいけるね。この場合は
\(x = 2\tan{\theta}\)と置換したい。係数部分を合わせるためにね。
\(\frac{1}{\sqrt{4+4\tan^{2}{\theta}}} = \frac{\cos{\theta}}{2}\)と\( \frac{dx}{d\theta} = \frac{2}{\cos^{2}{\theta}}\)という結果を使うと
$$\int_{0}^{2}\frac{1}{\sqrt{x^{2}+4}}dx = \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\cos{\theta}}d\theta$$
だね。さて、この形、有名かな?

教科書の例題には載っていないけど、問題集ではよく見かける。

うん。一度もお目にかかったことがないと、難しいけど、このレベルの受験生ならみんな知ってるかな。
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\cos{\theta}}d\theta &=& \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{\cos{\theta}}{\cos^{2}{\theta}}d\theta \\
&=& \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{\cos{\theta}}{1-\sin^{2}{\theta}}d\theta \\
&=& \frac{1}{2}\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\left( \frac{\cos{\theta}}{1+\sin{\theta}}+\frac{\cos{\theta}}{1-\sin{\theta}} \right)d\theta \\
&=& \frac{1}{2}\left[ \log{(1+\sin{x})} \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} – \frac{1}{2}\left[ \log{(1-\sin{x})} \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} \\
&=& \frac{1}{2}\log{\left( 1+\frac{\sqrt{2}}{2}\right)} – \frac{1}{2}\log{\left( 1-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)}
\end{eqnarray}$$
このままでもいいと思うけど、より綺麗にするなら
$$\begin{eqnarray}
\frac{1}{2}\log{\left( 1+\frac{\sqrt{2}}{2}\right)} – \frac{1}{2}\log{\left( 1-\frac{\sqrt{2}}{2}\right)} &=& \frac{1}{2}\log{ \left( \frac{2+\sqrt{2}}{2-\sqrt{2}} \right) } \\
&=& \frac{1}{2}\log{\left(\frac{(2+\sqrt{2})^{2}}{2}\right)} \\
&=& \frac{1}{2}\log{(3+2\sqrt{2})} \\
&=& \frac{1}{2}\log{(1+\sqrt{2})^{2}} \\
&=& \log{(1+\sqrt{2})}
\end{eqnarray}$$
だよね。だから、答えは
$$4\sqrt{2}-4 + \log{(1+\sqrt{2})}$$

うん、正解!
高校入試の定積分の問題としては少し難しい気もするけど、出題されたら絶対正解しないといけない問題だよね。
定積分の問題は、この4年後、2011年にも出題されているよ。

2011年 第1問(2) 定積分再び

問題
定積分
$$\int_{0}^{\frac{1}{2}}(x+1)\sqrt{1-2x^{2}}dx$$
を求めよ。

今度は、分子に根号がついているパターンだね。

うん。私の場合だとサインで置換しちゃうかな。今回は係数を合わせるために\(x = \frac{1}{\sqrt{2}}\sin{\theta}\)と置換して
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{1}{2}}(x+1)\sqrt{1-2x^{2}}dx &=&
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\left( \frac{1}{\sqrt{2}}\sin{\theta}+1 \right)\cdot\cos{\theta}\cdot\frac{1}{\sqrt{2}}\cos{\theta}d\theta \\
&=& \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{2}\sin{\theta}\cos^{2}{\theta}d\theta + \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\sqrt{2}}\cos^{2}{\theta}d\theta
\end{eqnarray}$$

第1項目がタダで積分できちゃうってやつだ。

エフ、ジー、ジーダッシュ、いつもやるのは緑の積分、、、

出た、謎呪文。

いや、割と有名だと思うんだけど、第1項目はそれだね。
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{2}\sin{\theta}\cos^{2}{\theta}d\theta
&=& \frac{1}{2}\left[ -\frac{1}{3}\cos^{3}{\theta} \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} \\
&=& \frac{1}{2}\cdot\left(-\frac{1}{3}\right)\cdot\left( \frac{1}{2\sqrt{2}}-1 \right) \\
&=& -\frac{\sqrt{2}}{24} + \frac{1}{6} \\
\end{eqnarray}$$
第2項目は三角関数おなじみの変形だから
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\sqrt{2}}\cos^{2}{\theta}d\theta
&=& \frac{1}{\sqrt{2}}\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1+\cos{2\theta}}{2}d\theta \\
&=& \frac{1}{2\sqrt{2}}\left[ \theta + \frac{1}{2}\sin{2\theta} \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} \\
&=& \frac{1}{2\sqrt{2}}\left( \frac{\pi}{4} + \frac{1}{2} \right) \\
&=& \frac{\sqrt{2}\pi}{16}+\frac{\sqrt{2}}{8} \\
\end{eqnarray}$$
二つの項を合わせると
$$\frac{\sqrt{2}}{12}+\frac{1}{6}+\frac{\sqrt{2}\pi}{16}$$
だね。

うん、その通り。今回も三角関数がらみの置換だったね。この積分計算は前回よりも易しくなった印象かな。ただ、翌年もまた定積分の問題が出題されているんだよね。

意外と、受験生は計算ミスしているのかも。

2012年 第1問(2) 置換か部分積分か

問題
定積分
$$\int_{1}^{\sqrt{3}}\frac{1}{x^{2}}\log{\sqrt{1+x^{2}}}dx$$
の値を求めよ。

さぁ、どうする?

う〜ん、私の方法だと、タンジェントの置換から始めようと思うけど、ログがついているから、ちょっと無理っぽい。なら、部分積分か。ログは微分すれば取れるからね。

うん、部分積分の原理は、2項の積のうち、一方がタダで積分できる形ならうまく回るからね。もう片方が微分してより簡単な形になれば、儲けもの。今の場合、\(\frac{1}{x^{2}}\)がタダで積分できる形だ。

うん、そうそう。
$$\begin{eqnarray}
\int_{1}^{\sqrt{3}}\frac{1}{x^{2}}\log{\sqrt{1+x^{2}}}dx
&=& \int_{1}^{\sqrt{3}}\left(-\frac{1} {x}\right)^{\prime}\log{\sqrt{1+x^{2}}}dx \\
&=& \left[ -\frac{1}{x}\log{\sqrt{1+x^{2}}} \right]_{1}^{\sqrt{3}} – \int_{1}^{3}-\frac{1}{x}\cdot\frac{1}{2}\frac{2x}{1+x^{2}} \\
&=& -\frac{1}{\sqrt{3}}\log{2}+\log{\sqrt{2}} + \int_{1}^{\sqrt{3}}\frac{1}{1+x^{2}}dx \\
\end{eqnarray}$$
となる。スッキリしたね。
第2項目は、ダンジェントで置換して
$$\int_{1}^{\sqrt{3}}\frac{1}{1+x^{2}}dx = \int_{\frac{\pi}{4}}^{\frac{\pi}{3}}1d\theta = \frac{\pi}{12}$$
だから、全体として
$$ \left(\frac{1}{2} – \frac{\sqrt{3}}{3}\right)\log{2} + \frac{\pi}{12}$$
が答えかな。

正解! 今回は部分積分がポイントだったね。よし、じゃあ、今年の問題もやってみようか。

2019年 第1問 問2 なんかデジャブ

問題
次の定積分の値を求めよ。
$$ (1)\ \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{x}{\cos^{2}{x}}dx\ \ \ \
(2)\ \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{\cos{x}}dx$$

 

(2)って、もう解いたじゃん。確か
$$\log{(1+\sqrt{2})}$$
だよね。

うん。2007年の問題で、ようこちゃんの方法で計算すると第2項目にでてくる式だね。つまり、過去問の計算やっとけよっていうメッセージかも。

じゃあ、(1)だけ解くよ。これも今日再三出てきたけど、いわゆるタンジェントの微分をイメージしていればいいよね。\(x\)が邪魔で、\(\frac{1}{\cos^{2}{x}}\)が積分できるとなれば、部分積分で決まりだ。
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\frac{x}{\cos^{2}{x}}dx &=&
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}x\cdot(\tan{x})^{\prime}dx \\
&=& \left[ x\tan{x} \right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} – \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\tan{x}dx \\
&=&\frac{\pi}{4} – \int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\tan{x}dx
\end{eqnarray}$$
\(\tan{x}\)の積分はあまりやらないかもしれないけど、\(\frac{\sin{x}}{\cos{x}}\)の形にすればすぐ思いつくかな? つまり、、、
$$\begin{eqnarray}
\int_{0}^{\frac{\pi}{4}}\tan{x}dx &=& \left[-\log{|\cos{x}|}\right]_{0}^{\frac{\pi}{4}} \\
&=& -\log{\frac{\sqrt{2}}{2}} \\
&=&-\log{ 2^{-\frac{1}{2}} } = \frac{1}{2}\log{2}
\end{eqnarray}$$
だから、最終的な答えは
$$\frac{\pi}{4} – \frac{1}{2}\log{2}$$

お見事。ようこちゃんは、計算間違えないね。

積分と微分の計算はとにかく訓練したからね。

ようこちゃんは、物理のためだよね。でも、積分の計算の訓練は本当に必要で、あたしがいつか言った”計算能力”が試されるから、大事だよ。面積や体積を求める時にも積分の計算は超重要だからね。

これだね。

計算能力とは、複雑な計算を正確に計算することだけじゃなくて、”いかに計算ミスが減る道筋を発見できるか”のことである。

そうそう。

そう言えば、まみが言ってたとっておきの問題って何?

え? やりたい? じゃあ、そろそろ出すよ!

定積分の問題でしょ、でも。

2001年 第6問 減衰曲線の成れの果て

問題
次の極限値を求めよ。
$$\lim_{n\to\infty}\int_{0}^{n\pi}e^{-x}|\sin{nx}|dx$$

ちょっと、まみ、これは反則じゃない?

どして? 極限値って言ってるけど、要はただの積分計算じゃん。テーマ違いじゃないよ。

ええ、違うよ。極限値だよ? 少なくとも定積分じゃないよね。

まぁ、でもほぼ定積分じゃん。定積分をした後に、ちょっと文字を無限に飛ばすだけなんだから。

んん〜、納得いかないけど、でも、今日の問題はそんなに難しくなかったし、やってやるか!

さすが、ようこちゃん。頑張れ。

積分の中身は減衰曲線だね。サインカーブを描きながら、\(x\)が大きくなると指数の分だけ振幅が小さくなっていくって感じ。ただ、この問題、少なくとも嫌味なところが3つある。

嫌味なところか。

1つは、言うまでもないけど絶対値。負になる時と正になる時を分けて考えないといけない。2つ目は、指数関数と三角関数の組み合わせ。定石は部分積分だけど、最低2回はやんないとダメ。そして3つ目は、サインの中身が\(nx\)なのに積分区間にまで\(n\)がついてるってこと。これは計算量とかそういう煩わしさを増やしてくる。

うん。問題文は1行だけど、やらなきゃいけないことはたくさんある。

ってことで、なるべく丁寧にやっていくね。まず、サインの中身に\(n\)がついているのはちょっと嫌だから変数変換するよ。\(nx = k\)として
$$\begin{eqnarray}
F(n) &=& \int_{0}^{n\pi}e^{-x}|\sin{nx}|dx \\
&=& \frac{1}{n}\int_{0}^{n^{2}\pi}e^{-\frac{k}{n}}|\sin{k}|dk \\
&=& \frac{1}{n}f(n)
\end{eqnarray}$$
と計算できる。さて、ここでスタート地点に立ったわけだけど、どうするか。ポイントは絶対値で、サインの符号の切り替えが重要。ちょっと表にしてみるか。

\(x\)0\(\pi\)\(\cdots\)1\(\pi\)\(\cdots\)2\(\pi\)\(\cdots\)3\(\pi\)\(\cdots\)4\(\pi\)
\(\sin{x}\)の符号0\(+\)0\(-\)0\(+\)0\(-\)0

 

表を見ると、(偶数)\(\times \pi\)から(奇数)\(\times \pi\)に至るところでは正、(奇数)\(\times \pi\)から(偶数)\(\times \pi\)に至るところでは負になっているね。ってことで、こういう感じで区間をわけないといけない、と。問題は\(n^{2}\)が偶数になるか、奇数になるかわからないってことか。わからないなら場合わけしなきゃいけない。

うん。ここで場合分け1つ目。

え? ってことは他のところでも場合わけするの? まぁ、とりあえず進めなきゃね。まず\(n\)が偶数の場合
$$\begin{eqnarray}
f(n) &=& \int_{0}^{\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx + \int_{2\pi}^{3\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx+\cdots+\int_{(n^{2}-2)\pi}^{(n^{2}-1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx \\
&-& \left( \int_{\pi}^{2\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx + \int_{3\pi}^{4\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx+\cdots+\int_{(n^{2}-1)\pi}^{n^{2}\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx \right)
\end{eqnarray}$$
で、\(n\)が奇数の場合
$$\begin{eqnarray}
f(n) &=& \int_{0}^{\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx + \int_{2\pi}^{3\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx+\cdots+\int_{(n^{2}-1)\pi}^{n^{2}\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx \\
&-& \left( \int_{\pi}^{2\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx + \int_{3\pi}^{4\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx+\cdots+\int_{(n^{2}-2)\pi}^{(n^{2}-1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dx \right)
\end{eqnarray}$$
最後がちょっと変わるだけだね。まぁ、最後に\(n\)を無限に飛ばすんだから、どっちもおんなじことになると思うけど。

さぁ、ようこちゃん。次にやることは?

そうだねぇ、部分積分でもしとく? つまり\(m\)を整数として
$$\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dk$$
を計算するってこと。
\begin{eqnarray}
I(m) &=& \int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dk = \int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}(-\cos{k})^{\prime}dk\\
&=& \left[ -e^{\frac{k}{n}}\cos{k} \right]_{m\pi}^{(m+1)\pi} -\frac{1}{n}\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\cos{k}dk \\
&=& -e^{-\frac{m+1}{n}\pi}(-1)^{m+1}+e^{-\frac{m}{n}\pi}(-1)^{m} + \frac{1}{n}\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}(\sin{k})^{\prime}dk
\end{eqnarray}
ちょっと分けようかな。
\begin{eqnarray}
\frac{1}{n}\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}(\sin{k})^{\prime}dk &=&
\left[ -\frac{1}{n}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k} \right]_{m\pi}^{(m+1)\pi}-\frac{1}{n^{2}}\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dk \\
&=& -\frac{1}{n^{2}}\int_{m}^{(m+1)\pi}e^{-\frac{k}{n}}\sin{k}dk \\
&=&-\frac{1}{n^{2}}\cdot I(m)
\end{eqnarray}
だから、さっき分けた式とまとめると
$$\frac{n^{2}+1}{n^{2}} I(m)= -e^{-\frac{m+1}{n}\pi}(-1)^{m+1}+e^{-\frac{m}{n}\pi}(-1)^{m}$$
となるわけだ。なるほど、ここでさらに場合わけが必要で
\(m\)が偶数のとき
$$\frac{n^{2}+1}{n^{2}}I(m) = e^{-\frac{m+1}{n}\pi}+e^{-\frac{m}{n}\pi}$$
\(m\)が奇数のとき
$$\frac{n^{2}+1}{n^{2}}I(m) = -e^{-\frac{m+1}{n}\pi}-e^{-\frac{m}{n}\pi}$$
だね。

いい調子だね。少しずつ解答に近づいてる感じ。

うん、でもすごく疲れる。
それで、これを使って\(f(n)\)を計算するんだね。どうせ同じことだから、\(n\)が偶数の時を考えるよ。
\begin{eqnarray}
\frac{n^{2}+1}{n^{2}}f(n) &=& \left( e^{-\frac{1}{n}\pi} + e^{-\frac{0}{n}\pi} \right) + \left( e^{-\frac{3}{n}\pi} + e^{-\frac{2}{n}\pi} \right) + \cdots + \left( e^{-\frac{n^{2}-1}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}-2}{n}\pi} \right) \\
&+& \left( e^{-\frac{2}{n}\pi} + e^{-\frac{1}{n}\pi} \right) + \left( e^{-\frac{4}{n}\pi} + e^{-\frac{3}{n}\pi} \right) + \cdots + \left( e^{-\frac{n^{2}}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}-1}{n}\pi} \right) \\
&=& e^{-\frac{0}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}}{n}\pi} + 2\left( e^{-\frac{1}{n}\pi} + e^{-\frac{2}{n}\pi} + \cdots + e^{-\frac{n^{2}-1}{n}\pi} \right) \\
&=& e^{-\frac{0}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}}{n}\pi} + 2\sum_{p=1}^{n^{2}-1}e^{-\frac{p}{n}\pi}
\end{eqnarray}
結構スッキリするじゃん。あとは、シグマの計算だけど、よく見れば公比が\(e^{-\frac{\pi}{n}}\)で初項が\(e^{-\frac{\pi}{n}}\), 項数が\(n^{2}-1\)だから計算できて
$$\frac{n^{2}+1}{n^{2}}f(n) = e^{-\frac{0}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}}{n}\pi} + 2\frac{ e^{-\frac{\pi}{n}}\left( 1-\left( e^{-\frac{\pi}{n}} \right)^{n^{2}-1} \right) }{1- e^{-\frac{\pi}{n}}}$$
なのかな。ちょっと自信ないけど。

合ってるよ。大丈夫、大丈夫。

さて、じゃあいよいよ\(n\)を無限に飛ばして\(\lim_{n\to\infty}F(n)\)を求めるよ。これが最終段階だね。
$$\lim_{n\to\infty} \frac{1}{n}\left(e^{-\frac{0}{n}\pi} + e^{-\frac{n^{2}}{n}\pi}\right) = 0,\ \lim_{n\to\infty}\left(1- \left( e^{-\frac{\pi}{n}} \right)^{n^{2}-1} \right) = 1,\ \lim_{n\to\infty}\frac{n^{2}+1}{n^{2}} = 1$$
だから
\begin{eqnarray}
\lim_{n\to\infty}F(n) &=& \lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}f(n) \\
&=&\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}\cdot \frac{2}{1-e^{-\frac{\pi}{n}}} \\
&=&2\lim_{n\to\infty}\frac{\frac{1}{n}}{1-e^{-\frac{\pi}{n}}} \\
\end{eqnarray}
ここで、指数関数の極限値、定番の公式が使えるね。
$$\lim_{x\to 0}\frac{x}{e^{x}-1} = 1$$
っていう。この形に合わせるためには、こうやって変形すればいいね。
\begin{eqnarray}
\lim_{n\to\infty}F(n) &=& \frac{2}{\pi}\lim_{-\frac{x}{n}\to 0}\frac{-\frac{\pi}{n}}{e^{-\frac{\pi}{n}}-1} \\
&=& \frac{2}{\pi}
\end{eqnarray}
あ〜、やっと出た。

お疲れ様、ようこちゃん。正解だよ。ただ、本当は\(n\)が奇数のときもやんなくちゃいけないんだけどねぇ。

\(n\)が奇数の時は、途中で出てきたシグマの最後の項がちょっと変わるだけだから、同様に計算できると思うよ。最初に思った通り、\(n\)を無限に飛ばすから、結局同じような計算になるね。まぁ、解答だったらそれもちゃんと書くよ。

うん、そうだね。それも忘れてないよって、伝えないとダメだよね。ただ、計算は完璧だったよ。道のりは長いけど、1つ1つ丁寧に追っていけば、ちゃんとたどり着くようになってるあたり、入試問題って感じだね。

いやぁ、すっごい疲れたよ。試験場でミスなくできるかどうか、ちょっと自信ないな。

定積分と言えど、意外と侮れないから、いろんなパターンを知って正確に計算できるようにしとかないとね。

うん、ほんとそれ。

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