自問
円周率が3.05より大きいことを証明せよ。
自答
言わずと知れた2003年の東京大学の入試問題です。図形的な大小関係を使わず解くことを考えてみました。
$$y=\frac{\sin{x}}{x}$$
を考えます。この関数の1階の導関数を計算します。
$$y’=\frac{x\cos{x}-\sin{x}}{x^{2}}=\frac{\cos{x}(x-\tan{x})}{x^{2}}$$
であるから、0≦x≦π/2を満たす実数xについて減少関数であることが分かります。さらに
$$\lim_{x\to 0}\frac{\sin{x}}{x}=1$$
であることからx=π/12について考えると
$$\frac{12\sin{\frac{\pi}{12}}}{\pi}<1$$
です。このとき、sin(π/12)を計算する必要がありますね。ここまでくると正多角形の近似と本質的に同じことをしている、ということに気付くでしょうか。
$$$\sin{\frac{\pi}{12}}=\frac{\sqrt{6}-\sqrt{2}}{4}$$$
と計算できますので
$$\pi>3(\sqrt{6}-\sqrt{2})$$
であることがわかります。あとは\(\sqrt{6}\), \(\sqrt{2}\)に関する近似値
$$\sqrt{6}>2.44, \sqrt{2}<1.42$$
を用いれば、
$$\pi>3.06>3.05$$
を示すことができます。
コメント