階乗(!)の一般化・高校数学で出題されるガンマ関数

スポンサーリンク

ちょっと面白い問題を見つけたので、回答します。

質問

正の整数\(n\)に対して、\(F_{n}(x) = \int_{0}^{x}t^{n}e^{-t}dt\)とおく。ただし、\(e\)は自然対数の底とする。

(1) \(F_{n+1}(x)\)を、\(n, x\)および\(F_{x}(x)\)を用いて表せ。

(2) \(m\)を正の整数とする。\(x>0\)のとき、不等式\(e^{\frac{x}{m+1}}>\frac{x}{m+1}\)が成り立つことを示せ。また

$$\lim_{x\to\infty}\frac{x^{n}}{e^{x}}=0$$

となることを示せ。

(3) すべての正の整数\(n\)に対して

$$\lim_{x\to\infty}F_{n}(x) = n!$$

となることを示せ。

回答

(1) 解析的に計算できない積分系を漸化式で表すという、高校数学では定番の方法です。部分積分を使います。

\begin{eqnarray}
F_{n}(x) &=& \int_{0}^{x}t^{n}e^{-t}dt \\
&=& \int_{0}^{x}t^{n+1}(e^{-t})^{\prime}dt \\
&=& \left[t^{n+1}(-e^{-t})\right]_{0}^{x} + (n+1)\int_{0}^{x}t^{n}e^{-t} \\
&=& -x^{n+1}e^{-x} + (n+1)F_{n}(x) \\
\end{eqnarray}

(2) 前半を示し、その結果を用いて後半の証明を行います。

\(y = \frac{x}{m+1} > 0\)とおく。
\(f(y) = e^{y} – y\)とすると、\(f^{\prime}(y) = e^{y} -1 > 0 (y>0)\)より\(f(y)\)は単調増加。ゆえに\(f(y) > f(0) = 0\). これより、前半の不等式が示された。

この結果より
$$e^{x} > x^{m+1}\times\left(\frac{1}{m+1}\right)^{m+1}$$
\(g(x) = \frac{x^{m}}{e^{x}}\)とおく。\(x>0\)より\(g(x) > 0\).
ところで前半の結果から
$$0< g(x) < \frac{x^{m}}{x^{m+1}}\times(m+1)^{m+1} = \frac{(m+1)^{m+1}}{x}$$
が成り立つ。また
$$\lim_{x\to\infty}\frac{(m+1)^{m+1}}{x} = 0$$
であることから、はさみうちの原理により
$$0 < \lim_{x\to\infty}g(x) < \lim_{x\to\infty}\frac{(m+1)^{m+1}}{x} = 0$$
を用いて
$$\lim_{x\to\infty}g(x) = 0$$
が示される。これが示すべき事柄であった。

(3) (1), (2)の結果を用いて示します。

(1)より

$$F_{n}(x) = -x^{n+1}e^{-x} + (n+1)F_{n}(x)$$
(2)より\(x\to\infty\)のとき、第1項は0だから
$$\lim_{x\to\infty}F_{n+1}(x) = (n+1)F_{n}(x)$$
となる。ゆえに
$$\lim_{x\to\infty}F_{n+1}(x) = (n+1)n\cdots3\cdot2\cdot1\cdot F_{0}(x) = n!\times F_{0}(x)$$
ここで\(F_{0}(x) = 1-e^{-x}\)より
$$\lim_{x\to\infty}F_{0}(x) = 1$$
よって、
$$\lim_{x\to\infty}F_{n+1}(x) = n!$$

コメント

タイトルとURLをコピーしました