整数の剰余に着目した自作問題を考えました

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難関国公立大学の入試問題では、ユニークな整数問題がよく出題されます。特に倍数性を使って整数の存在条件を与える問題をたまに見かけます。その類題となるような問題となれば良いと思い、自作問題を考えました。よろしければ解いてみてください。

自問

自然数a, b, cについて、次の各問いに答えよ。

(1) \(a^{2}+b^{2}+c^{2} \geq ab+bc+ca\)であることを示せ。

(2) \(ab+bc+ca\), \(a^{2}+b^{2}+c^{2}\)がこの順に連続する奇数または連続する偶数となるようなa, b, cの組は存在しないことを示せ。

自答

(1)

これは(2)の誘導というよりは(1)の前提条件を確認する問題です。京都大学の入試問題ではそのような傾向をたまに見ることができます。チャート式に載っているような問題ですが、色々な解法で解いてみます。

$$X = a^{2}+b^{2}+c^{2}-ab-bc-ca$$とおく。

解法1 
 2次関数の最大・最小問題に帰着させる
$$X = a^{2}-(b+c)a+b^{2}+c^{2}-bc$$
$$X = \left( a-\frac{b+c}{2} \right)^{2}+b^{2}+c^{2}-bc+\frac{(b+c)^{2}}{4}$$
$$X = \left( a-\frac{b+c}{2} \right)^{2}+\frac{3(b+c)^{2}}{4}$$
よって\(a = \frac{b+c}{2}\)のとき最小値\(\frac{3(b+c)^{2}}{4} \geq 0\)をとる。ゆえに
$$a^{2}+b^{2}+c^{2}\geq ab+bc+ca$$
解法2
微分法を用いて解く。
Xをaの関数とみる。
\(X^{\prime}(a) = 2a-(b+c)\)より\(a = \frac{b+c}{2}\)で最小値をとる。最小値は
$$\frac{3(b-c)^{2}}{4} \geq 0$$
 
解法3
少しテクニカルな変形を用いる。
$$X = \frac{2a^{2}+2b^{2}+2c^{2}-2ab-2ac-2bc}{2}$$
$$X = \frac{a^{2}-2ab+b^{2}+a^{2}-2ac+c^{2}+b^{2}-2bc+c^{2}}{2}$$
$$X = \frac{(a-b)^{2}+(a-c)^{2}+(b-c)^{2}}{2} \geq 0$$
 
(2)
 
少しテクニカルかもしれませんが、\(a^{2}+b^{2}+c^{2}, ab+bc+ca\)の形を見て、次の恒等式を思いつきたいです。
$$(a+b+c)^{2} = a^{2}+b^{2}+c^{2}+2(ab+bc+ca)$$
ここで、\(ab+bc+ca,\ a^{2}+b^{2}+c^{2}\)がこの順に連続する偶数または奇数となるとき、\(ab+bc+ca=n\)(\(n\)は自然数)とおくと、\(a^{2}+b^{2}+c^{2} = n+2\)とおけます。
$$(a+b+c)^{2} = 3n+2$$
ここで、自然数の2乗を2で割った余りは2とならないこと合同法で示します。
\(Y ≡ 0, 1, 2\)(mod3)とすると\(Y^{2} ≡ 0, 1\)(mod3)より、自然数の2乗を2で割った余りは2とならない。このことは、\(ab+bc+ca,\ a^{2}+b^{2}+c^{2}\)がこの順に連続する偶数または奇数となる自然数a, b, cの組は存在しない。
 
他にも様々な解法があると思います。よろしければ、教えていただけると助かります。よろしくお願いします。

コメント

  1. アバター とんぼ より:

    (2)を違う方法で解いたので書いておきます

    〈略解〉
    a²+b²+c²-(ab+bc+ca)≠2を示す
    (1)解法3より
    (左辺)=1/2×{(a-b)²+(b-c)²+(c-a)²}
    ∴{(a-b)²+(b-c)²+(c-a)²}≠4を示せばよい
    a,b,cの対称性から、(a-b)²,(b-c)²,(c-a)²の組み合わせは(4,0,0),(3,1,0),(2,1,1)に限られ、このうち全てが平方数となるのは(4,0,0)のみである
    このときa-b=2,b-c=c-a=0
    このような自然数a,b,cは存在しないので題意は示された

    • nemurukame nemurukame より:

      とんぼ様
      別解答のご提示、大変感謝いたします。
      倍数性を使うまでもありませんでしたね。

      ご提示いただいた解法は整数問題における実践的なものですね。
      a²+b²+c²-(ab+bc+ca)の変形に気づきさえすれば、
      非常にわかりやすいと思います。

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